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合掌造りの家

先日でかけた生田緑地には科学館の他に、日本を代表する古民家の

野外博物館である川崎市立日本民家園があります。

 

プラネタリウムの上映まで時間があったので、園内に入って見学してみました。

そこはまるで、江戸時代にタイムトリップしたかのように日本中から

集められた古い民家が昔の雰囲気のまま残されていました。

 

園内には、25件の古民家が保存されていますが、なかには

国や県の重要文化財の民家もあります。

この中で私が特に気に入った民家は富山県や岐阜県から移築された

合掌造りの家です。

 

私の両親は富山県の出身で、子供の時に訪れた田舎の集落には

まだ合掌造りの家が残されていました。

 

合掌造りの家は、屋根が急勾配でその形が手をあわせて合掌しているように

見えることからそのようによばれています。

この地方は、豪雪地帯のために雪が落ちやすいように

このような屋根の形をしています。

釘はまったく使いませんがその構造はとても強く毎年降り積もる

何十トンもの重さに耐えられるようにできています。

茅葺屋根の厚さは1m近くもあり内部の柱も太く他の民家とは風格が違います。

イギリスでもわらぶきの古民家を見たことがありますが、

もっとこじんまりしていました。

以前に五箇山で見た大きな合掌造りの家は、昔はいくつもの家族が20人以上

くらしていたそうです。

合掌造りの民家は、おそらく世界でも最大最強の茅葺木造民家だと思います。

 

 合掌造りの家に入ると、とてもなつかしい感じがします。

おそらく子供の時に見た記憶だけでなく、私の中のDNAの

記憶があるのかもしれません。

 

以前に、富山県五箇山にある相倉集落の合掌造りの

民宿に泊まった事があります。

合掌造りといえば、岐阜県の白川郷がとても有名です。

世界遺産に登録されてからは年間150万人が訪れる観光地に

なりましたが、以前私が初めて訪れた時はさみしい集落でした。

じつは富山県五箇山にも、世界遺産の集落が2箇所あり、

いくつかの古民家は民宿を営んでいます。

私が以前行った相倉は、まだ世界遺産に登録される前で、

白川郷よりこじんまりとした昔の雰囲気を残す静かな集落でした。

 

この時泊まった民宿で親しくなった方がいました。

この方は、この川崎の民家園の職員をしながら古民家の研究をして

本まで出版された方で、この時ご自身が執筆した本をプレゼントしてくれました。

家に帰ってからその方を思い出して、その時いただいた本をさがして見ていると

当時がなつかしく、なにかの縁を感じます。

今回あらためて日本の木造建築の美しさを実感しました。

 

家部