Blog

日本が誇るバレエダンサー 吉田都さん

先日、NHKのドキュメンタリー番組

LAST DANCE 

(バレリーナ 吉田 都 引退までの戦いの日々) 

を見てとても感動しました。

吉田 都さんは、高校2年生の時に

ローザンヌ国際バレエコンクールに

入賞して、イギリスのロイヤルバレエ学校に入学。

その後は、ロイヤルバレエ団で

最高位のプリンシパルとして、22年間も

ロイヤルバレエの舞台で活躍していた

世界最高のバレリーナの一人です。

今年の8月に、

国内で引退公演が行われました。

番組は、公演まで吉田さんの

一年間を追ったドキュメンタリーです。

今年53才の吉田さんが、疲労骨折や体力の衰えと闘いながら

最高の舞台を目指す、

すさまじいまでの努力は

見る人に感動を与えると思います。

手足が長く容姿が美しいバレエダンサーが

たくさんいる中で身長が160cmに

満たない吉田さんが、

容姿のコンプレックスと戦いながら

いかに自分の姿を舞台の演技で

美しく見せるか、人一倍努力したようです。

 

私は、以前ロンドンで

吉田都さんの舞台を見たことがあります。

当時、私はロンドンのサロンで働きながら

ヨーロッパの芸術も吸収しようと

美術館やコンサートに出かけ、

バレエやオペラなども

よく見に行っていました。

 

ロイヤルバレエの公演で、有名な白鳥の湖を

見に行った時に、パンフレットで

日本人の名前を見た時はとても驚きました。

海外の有名なバレエ団の舞台で、主役として

活躍する日本人の姿に、

とても勇気づけられたのを覚えています。

番組にも出てくる、最終公演最後の

パートナーを演じたイレク ムハメドフも

その日のパートナーでした。

海外で苦労していた2人は、精神的にも支えあっていたようです。

当時のパンフレットと、チケットをまだ持っています。

 

1995年、吉田さんが

正式にロンドンのロイヤルバレエ団に

移籍してその2年後、

32才の時の公演です。

 

 

当時はお金がなかったので、

いつも安いチケットを買っていましたが、

ロンドンのロイヤルオペラハウス

はまるで別世界です。

一番安い天井桟敷の席は、

劇場全体が見渡せるので

雰囲気が味わえて、

値段のわりにはよく見えました。

このチケットも当時のレートでわずか

¥1000ぐらいです。

インターネットのない当時、

まだ慣れない英語で緊張しながら

窓口でチケットを買っていたのを

思い出します。

番組で、当時同じバレエ団の人が

語っていますが、

吉田さんは世界最高のバレエ学校の中でも

桁違いの演技力と技術を

持っていたそうです。

目の肥えたロンドンの聴衆たちも

そのすばらしい演技に

魅了されていたのでしょう。

吉田さん以降、多くの日本人が世界の舞台で活躍していますが、

その道を切り開いた偉人だと思います。

 

体力と肉体の限界で臨んだ最終公演は、

当店のお客様も見た方が

いらっしゃいましたが、

とても素晴らしかったようです。

番組で最終公演を終えた吉田さんが

ほっとした笑顔でバレエシューズを

脱ぐ姿が印象的でした。

 

現役引退後の吉田さんは、

新国立劇場の芸術監督として

指導されるそうで、

今後の活躍も楽しみです。

 

こんど再放送があるので興味のある方は

ぜひご覧ください。

12月14日(土)午後3時05分~ [NHK総合]で49分版
12月29日(日)午後3時45分~ [NHKBS4K]で99分版

 

家部 誠一